「ひばりバージョンの『リンゴの唄』は存在するのか」という長年の疑問に対する答えは、「公式音源・アーカイブ映像ともに実在する」です。
日本コロムビアから過去にリリースされた昭和名曲のトリビュート企画盤やカバーアルバム、NHKをはじめとするテレビ局の特別番組において、美空ひばりは『リンゴの唄』を正式にカバー録音・歌唱しています。自身のルーツである戦後歌謡への敬意を込め、サトウハチローと万城目正が紡いだメロディをひばり流に昇華させました。
原曲の並木路子版が持つ素朴で可憐な歌声に対し、ひばり版は豊かな声量とリズムのタメ、独特のスイング感を効かせた華やかなアレンジが特徴です。哀愁を帯びた『リンゴ追分』とは対照的に、カラッと明るく軽快に歌い上げるひばりのボーカルからは、ジャンルを問わず完璧に歌いこなす「天才歌手」の真髄を味わうことができます。