シシガミの真の恐ろしさは、夜の姿である「デイダラボッチ(ナイトウォーカー)」へと変貌する瞬間にピークを迎える。昼のシシガミが持つ「肉体」が崩壊し、青く光る半透明の巨大な生命体へとシフトしていく過程だ。
この時、シシガミの顔はドロドロと溶け出すように崩れていく。この描写は、単に液体化しているのではない。生という秩序が失われ、死という混沌へと還っていく宇宙の法則そのものを視覚化している。顔のパーツが位置を失い、境界線が曖昧になる描写は、仏教における「諸行無常」や、自然の容赦ない破壊力を象徴している。このシーンの作画枚数は尋常ではなく、当時のスタジオジブリの持てる技術のすべてが注ぎ込まれた。