1990年代初頭、バブル経済の崩壊は企業スポーツに壊滅的な打撃を与えた。ソフトテニス実業団も例外ではない。
1980年代には40を超える実業団チームが存在したとされる。製造業、金融機関、流通業など、あらゆる業種が企業の宣伝と社員の福利厚生を兼ねてチームを運営していた。しかし経済環境の激変により、多くの企業がコスト削減を迫られた。スポーツチームは「不要不急の支出」と見なされ、次々と廃部に追い込まれた。
生き残った企業の戦略
生き残ったチームには共通点がある。第一に、企業のブランド戦略と明確に結びついていること。ヨネックスやナガセケンコーのような用具メーカーは、実業団チームを「生きた広告塔」として位置づけた。
第二に、地域貢献活動との連携だ。NTT西日本や東京ガスは、地域密着型の企業イメージ向上にチームを活用している。選手による学校訪問や指導会は、企業の社会的責任(CSR)活動として評価される。
第三に、選手の二重キャリア構築だ。現代の実業団選手は、競技者であると同時に企業人として業務をこなす。引退後のキャリアパスが明確に示されることで、優秀な人材を確保しやすくなっている。