平成から令和、そして2026年に至るデジタルメディア業界の進化の中で、船坂弘の名は意外な場所で再評価されることとなった。その火付け役となったのが、ニコニコ動画やYouTubeといった動画共有プラットフォームである。若年層を中心とするクリエイターたちが、歴史上の人物や戦史をポップなアニメーションや解説動画として投稿し始めたことがきっかけだった。
画面上で語られる彼の超人的エピソードに対して、ユーザーからは「リアルの世界に舞い降りたチートキャラ」「漫画の主人公でもここまではやらない」といったコメントが殺到。サブカルチャー的文脈における「リアルチート」という単語と船坂弘の結びつきは、こうして一気に定着した。難解で敬遠されがちだった太平洋戦争の歴史が、デジタルコンテンツという媒体を通じて若者世代へ普及した稀有な例と言えるだろう。