歴史好きにとって、この地は特別な意味を持つ。江戸時代、長崎の街と港を結ぶ物流や往来の要所として機能していたのが茂木街道だ。幕末の動乱期には、あの坂本龍馬もこの街道を踏みしめ、海を眺めながら日本の未来に思いを馳せたと言い伝えられている。
また、なかにし礼の小説を原作とした映画『長崎ぶらぶら節』の舞台としても広く知られている。かつて料亭が立ち並び、芸妓たちの華やかな声が響いていた時代の名残があちこちに感じられる。歴史の残像が今も路地の随所に染み込んでおり、一歩踏み入れるごとにタイムスリップしたかのような錯覚を覚えるはずだ。