丹沢山地の東麓に位置する清川村一帯は、降雨時の水位変動が極めて急激な山岳渓流エリアです。キャンプ場周辺の天候が快晴であっても、上流域の丹沢主稜部で局地的な集中豪雨(ゲリラ豪雨)が発生した場合、わずか10分〜15分の短時間で水位が1メートル以上急上昇する現象が発生します。
「清流だから安全」という過信は禁物です。唐沢川流域の川底は花崗岩や大きな玉石で形成されており、水中には目視しづらい複雑なアンダーカット(えぐられた岩の下の空洞)が存在します。飛び込み時に頭部や脊椎を強打するリスクに加え、えぐれた岩場に身体が吸い込まれる危険性が潜んでいます。
上流部からの水が濁り始めたり、小枝や落ち葉が急に流れてきたりした場合は、鉄砲水の明確な前兆現象です。こうした自然のサインを見落としたまま川の中に留まることが、逃げ場を失う孤立事故や流失事故の引き金となっています。