昨今の流通事情において、家庭で扱われる海老の約8割は冷凍品(主に冷凍無頭エビや冷凍むきエビ)です。しかし、冷凍海老を「電子レンジで急速解凍する」「お湯につける」「真水に長時間放置する」といった方法で戻すと、細胞膜が破壊され、うま味成分(グルタミン酸やグリシン)を多量に含んだドリップが流出。パサパサでゴムのような食感に劣化してしまいます。
冷凍海老のプリプリとした弾力と瑞々しさを最大限に引き出す解凍の黄金比は、海水とほぼ同等の「3%濃度の冷塩水(水500mlに対し塩15g)」に氷を数個浮かべ、浸漬解凍する方法です。塩分濃度を合わせることで浸透圧による身の縮みとうま味流出を防ぎ、低温を保つことで細胞破壊を最小限にとどめることができます。解凍時間は海老の大きさにもよりますが、約15〜20分が目安です。中心部にわずかに芯が残る半解凍の状態で引き上げ、前述の片栗粉洗浄と筋切り工程へ進むと、驚くほど身の締まったジューシーな天ぷらに仕上がります。