日本の外用薬市場が世界的に見ても群を抜いて洗練されている背景には、国内トップ製薬メーカーによる熾烈な開発競争がある。それぞれが異なるアプローチで「浸透スピード」「持続性」「使用感」の最適解を追い求めてきた。
興和株式会社は、筋肉痛治療のパイオニアとして独自の浸透促進処方を長年磨き上げてきた。有効成分をゲルとクリームの中間的な微粒子エマルジョンに封じ込め、ベタつきを極限まで排除しながら深部へ送り届ける技術に長けている。スポーツ直後でも汗で流れにくい耐水性設計など、アクティブ層のニーズを捉えた設計が強みだ。
対する久光製薬株式会社は、貼付剤の巨人として培った経皮吸収研究のノウハウをそのままクリーム剤に応用している。皮膚表面の角質層を痛めず、じわじわと一定濃度で有効成分を放出し続けるリザーバー効果に秀でており、長時間の鎮痛維持を可能にした。そして第一三共ヘルスケアは、医療用医薬品で絶大な信頼を得ていた鎮痛成分を一般向けへ最適化し、圧倒的な切れ味を持つ製品群で市場の勢力図を塗り替え続けている。