地域の防衛体制は、過疎化とハンターの高齢化という深刻な構造問題に直面している。猟友会のボランティア精神に頼り切ってきた従来の体制は限界を迎え、いま獣害対策産業という新たな民間ビジネスが急速に台頭してきた。
AIを搭載した熱画像監視カメラによる侵入検知システム、ドローンを用いた夜間パトロール、さらには電気柵や特殊超音波発生装置の設置など、最新テクノロジーを駆使したセキュリティサービスが自治体や民間企業に導入されている。林業従事者向けの高耐久防護ベストや携帯型位置情報トラッカーの開発も急ピッチで進む。かつての「駆除」一辺倒から、テクノロジーによる「接近阻止」と「生活圏のゾーニング」へと、防衛の思想そのものが劇的にシフトしている。