「箱入り娘」の理論的最短クリア手数は81手です(※1つの駒を障害物に当たるまで連続して動かす操作を1手とカウントする規則の場合)。盤面を漫然と動かすのではなく、攻略を3つの明確なフェーズに分割して捉えることが、迷宮を突破する唯一の近道となります。
フェーズ1:下段の小駒を整理し、娘の降下スペースを確保する(初手〜20手前後)
ゲーム開始時、空きマスは最下段の中央または左右に位置しています。最初に行うべきは、最下段にある1×1の小駒4つを巧みに連携させ、中央の横長駒(兄弟駒)の真下に空きマスを2つ並べる作業です。
小駒を2つペアにして端へ寄せ、横長駒を1段下げることで、娘(2×2)の真下に空間が生まれます。これにより、娘を初期位置の最上段から中段へと1マス分引き下ろす準備が完了します。
フェーズ2:最難関の「すれ違い」|娘を中段から下段へシフト(21手〜55手前後)
箱入り娘最大の難所がこの中盤戦です。娘を中段まで下ろすと、周囲の縦長駒(父親・母親)や横長駒と激しく干渉し、身動きが取れなくなります。ここで多くのプレイヤーが「これ以上進めない」と諦めて初期配置に戻してしまいます。
この局面を打開する鉄則は、「娘の真横に2マスの空隙を作り、娘を一度左右どちらかの壁際に完全に寄せる」ことです。娘を側面に退避させている間に、反対側の空いたルートを使って縦長駒と横長駒を上部へと押し上げます。つまり、娘と親駒の「上下の入れ替え(すれ違い)」を盤面の左右非対称な回転運動によって成立させるのです。
フェーズ3:上部に防壁を再構築し、娘を最下段中央の出口へ(56手〜81手)
娘が下段へ到達すれば、勝利は目前です。上部に押し上げた縦長駒と横長駒をうまく敷き詰め、屋敷の奥側へ固定します。下部に残った小駒2つを左右の隅へ散らし、最下段中央のスリットを完全に開放。最後に娘をまっすぐ下方へスライドさせれば、見事な脱出劇が完結します。