渋沢栄一の新1万円札はなぜ誕生?選ばれた理由と偽造防止の全貌

渋沢栄一の新1万円札はなぜ誕生?選ばれた理由と偽造防止の全貌

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日本銀行券の顔となる人物は、財務省、日本銀行、国立印刷局の3者で協議を重ね、最終的に財務大臣の判断で決定されます。およそ20年ぶりの刷新において、なぜ渋沢栄一に白羽の矢が立ったのでしょうか。選定基準として挙げられたのは主に3つの明確な要素です。

第1に「偽造防止の観点から精密な写真や肖像画が残っていること」です。渋沢栄一は明治から昭和初期にかけて精力的に活動し、晩年まで鮮明な肖像写真が数多く現存しています。彫刻師が微細な筆致を再現するにあたり、極めて精緻な原画を作成できる条件を満たしていました。

第2に「国民各層から広く親しまれ、国際的にも誇れる業績を残していること」です。後述する通り、生涯で約500もの企業の立ち上げに関わり、社会福祉や女子教育の推進にも尽力した生き方は、特定の利害関係を超えた国民的偉人として申し分ない実績と評価されました。

第3に「新時代の日本経済における理念の合致」です。利益の追求だけでなく道徳や社会貢献を重んじる「道徳経済合一説」を唱えた渋沢の哲学は、持続可能な社会を目指す現代において再び強い共感を呼んでいます。福沢諭吉の「学問のすすめ」に代表される啓蒙思想から、より実践的な産業・経済の発展へと日本の指針をシフトさせるメッセージが込められました。

池田 達也
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池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。