ネット上で「ラ・ムーで買ってはいけない」という声が上がる背景には、単なる品質の良し悪しにとどまらない、ディスカウントストア特有の構造的な要因が存在します。実際の利用者の声と現場調査を照らし合わせると、明確な3つの理由が浮かび上がってきます。
第1の理由は、家庭用サイズを逸脱したメガ盛り・大容量パッケージによるフードロスリスクです。ラ・ムーの精肉や一部惣菜は、キロ単位の巨大パックで陳列されることが日常茶飯事となっています。単価あたりの価格は驚くほど安価であるものの、小分け冷凍の習慣がない世帯や単身者が勢いで購入すると、消費期限内に使い切れず廃棄してしまう事態に陥りがちです。結果として「安物買いの銭失いになった」「買うべきではなかった」という後悔の声がネット上に蓄積されることになります。
第2の理由は、大黒天物産のプライベートブランド「D-PRICE」や惣菜における極端なコストカット仕様です。価格を限界まで下げるため、加工肉では脂身やつなぎの比率が調整されていたり、揚げ物の衣が厚めに設定されていたりすることがあります。日頃から百貨店や高級スーパーの総菜、専門店レベルの繊細な味付けに慣れている層からは、「肉がパサつく」「油が重くてまずい」という辛口の評価が下されるケースが見受けられます。
第3の理由は、「安すぎるがゆえの心理的不安」が生み出すネガティブな先入観です。一般的なスーパーで100gあたり200円前後する肉が100円未満で売られていたり、一般的なたこ焼きが1パック600円前後する時代に100円で提供されていたりすると、消費者の脳内には「何か裏があるのではないか」「粗悪な原料を使っているのではないか」という認知的不協和が発生します。この心理的防衛本能が、根拠のない「危険」という噂を増幅させている側面は否定できません。