大衆的な料理のトッピングとして親しまれる一方で、世界のトップガストロノミーにおいて鰹節は「魔法のエキス」として崇められています。パリ、ニューヨーク、コペンハーゲンなどの名立たる星付きレストランのシェフたちが、フレンチや北欧料理のベースに鰹節を取り入れる動きは今や珍しくありません。
鰹節世界シェフ絶賛の理由は、鰹節に含まれる高濃度の「イノシン酸」にあります。西洋料理のフォン(出汁)が牛骨や香味野菜を何時間も煮込んで旨味を抽出するのに対し、鰹節は「熱湯に数分くぐらせるだけで、雑味のない純粋なイノシン酸を抽出できる」という圧倒的な効率性とクリアな輪郭を持っています。
さらに、トマトやチーズ、昆布に含まれる「グルタミン酸」と鰹節の「イノシン酸」が合わさることで、旨味の相乗効果によって味の深みが7〜8倍に跳ね上がります。バターや生クリームを多用せずとも濃厚なコクを表現できるため、軽やかでヘルシーな現代のファインダイニングにおいて、和食出汁のうま味は欠かせない武器となっています。