スクリーンに登場するだけで場面の空気を圧倒する唯一無二のスケール感を持つのが阿部寛だ。モデル出身の長身と彫りの深い顔立ちという恵まれたビジュアルに留まらず、彼は泥臭く泥に塗れるような役柄や、コミカルな怪演まで自らのものにしてきた。
特に彼が真価を発揮するのが、濃密な人間模様を描くヒューマンドラマの領域だ。不器用だが温かい父親役や、正義感に燃える頑固な職人など、彼が演じるキャラクターには常に揺るぎない説得力が宿る。重厚な社会派ドラマから心がじんわりと温まる作品まで、彼が作品の中心に座ることで、ストーリーは圧倒的な強度を獲得する。