日本のテレビドラマ業界において、かつて家族ドラマといえば理想化された温かい団らんを描くものが主流だった。しかし、橋田壽賀子が世に送り出した岡倉家の物語はその常識を打ち破った。日常に潜む身勝手さや金銭トラブル、嫁姑問題の泥臭い現実を隠すことなく突きつけたのだ。
登場人物たちは決して完璧ではない。時に言い争い、すれ違い、感情を爆発させる。だが、それこそが生活のリアルであり、従来のホームドラマの枠組みを大きく革新する要素となった。身につまされるような生々しい対話の中に、家族ゆえの切なさと温もりが同居する独自の世界観は、こうして確立された。