なぜこれほど多くの人が、自分自身の身体の寸法を見誤ってしまうのでしょうか。ワコールやトリンプなどの大手インナーウェアメーカーが過去に実施した数百人規模のフィッティング診断調査によると、店頭を訪れた女性のうち約71%〜84%が不適切なサイズのブラを着用していたと報告されています。さらに驚くべきことに、その過半数が「本来のサイズより小さいカップを選び、胸を押し潰している」か「アンダーバストを緩めに設定し、安定性を失っている」状態でした。
カップ数がズレる最大の原因は、過去の採寸データへの固執と測定時の姿勢の誤りにあります。20代前半の数値や、数年前に店舗で一度測ってもらったきりのサイズ(例えば「私は昔からずっとC70」という固定観念)を更新せずに買い続けているケースが目立ちます。女性のバストは、体重の増減だけでなく、ホルモンバランス、加齢による皮膚弾力の変化、筋力の低下によって、1年単位で体積もバージスライン(胸の下の輪郭)の位置も変化します。
もう一つの決定的な要因が、ノーブラとブラ着用時の測定結果の違いです。自宅で一人で測る際、裸のまま直立してメジャーを当ててしまう人が後を絶ちません。しかし、ノーブラで直立すると重力によって乳腺と脂肪が下垂するため、本来トップバストがあるべき高さより低い位置で計測され、トップ値が数センチ小さく算出されてしまいます。逆に、パッドで極端に盛った厚手のブラを着けたまま計測すれば、本来の寸法より1〜2カップ大きく誤認する原因になります。この「測り方の根本的な勘違い」こそが、8割の女性がサイズ難民に陥る背景です。