IKKOさんがパニック障害の兆候に見舞われたのは、美容家としてまさに脂が乗り切っていた39歳の頃でした。ヘアメイクアップアーティストとして名声を高め、1992年に自らのアトリエ(美容室・事務所)を立ち上げて独立。経営者としての重責と、現場のトップとして完璧を求め続ける過酷なスケジュールが日常化していました。
当時、スタッフへの給料支払いやアトリエの維持、さらには業界関係者からの高い期待に押し潰されそうなプレッシャーを抱えていたといいます。「すべて自分で背負い込まなければならない」という強い責任感と完璧主義が、自律神経に大きな負荷を与え続けていました。
ある日、高速道路を車で運転していた最中、突如として激しい動悸と息苦しさに襲われます。「このまま死んでしまうのではないか」という猛烈な恐怖に囚われ、救急車を呼ぶ事態にまで発展。これが、長く続く闘病生活の始まりとなりました。