ここに展示されている膨大な資料のほとんどは、実は地域住民からの寄贈品で成り立っている。高度経済成長期を経て、人々が次々と新しい家電や生活用品に買い替える中、多くの家庭で「捨てるには忍びないが、もう使わないもの」が物置に眠っていた。同館はそれらを地道に集め、整理し、価値を見出してきた。
他者にとっては単なる「ゴミ」に見える古い薬のパッケージや、使い古された文房具も、集積され、文脈を与えられることで一級の歴史資料へと昇華する。市民一人ひとりの生活の記憶が積み重なってできたコレクションだからこそ、展示からは教科書的な歴史解説にはない、生々しい人間の体温が伝わってくる。