地方経済を蝕む最大の影、それが経営者の高齢化と後継者不足だ。優れた技術を保持しながらも、跡継ぎが見つからずに廃業を選択せざるを得ない「黒字廃業」の危機が、この東濃地区でも日常茶飯事となっている。
この根深い構造問題に対し、テクノロジーと人間の眼を融合させた新たな取り組みが加速している。長年蓄積された企業の取引データと経営課題を解析する地域特化型AIプラットフォームを構築。技術継承を望む地元企業と、事業拡大を目指す全国のスタートアップや他地域の事業者を精度高くマッチングする仕組みだ。
ただし、アルゴリズムだけに頼るわけではない。最終的な意思決定の段階では、長年その企業を担当してきた職員が間に入り、経営者の理念や職人たちの感情的なケアまで行う。数字化できない「企業文化の継承」に徹底してこだわる姿勢が、ミスマッチのないスムーズな事業承継を実現している。