井上和彦さんの50年を超えるキャリアは、まさに日本アニメの進化の歴史そのものです。昭和、平成、令和の各年代を代表する主な出演作を振り返ります。
【1970年代〜1980年代:正統派美少年から実力派主役へ】
- 『キャンディ・キャンディ』(アンソニー・ブラウン役)
- 『サイボーグ009』(1979年版・島村ジョー / 009役)
- 『機動戦士Ζガンダム』(ジェリド・メサ役)
- 『タッチ』(新田明男役)
- 『蒼き流星SPTレイズナー』(アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ役)
1979年の『サイボーグ009』で主人公・島村ジョーに抜擢されたことで、井上さんの人気は決定的なものとなりました。哀愁を帯びたヒーロー像で全国のアニメファンを魅了し、一躍トップ声優へと駆け上がります。『機動戦士Ζガンダム』では主人公カミーユの宿敵・ジェリドを熱演し、単なる二枚目にとどまらない骨太な演技の幅を証明しました。
【1980年代後半〜2000年代:多彩なキャラクターと後任としての名演】
- 『美味しんぼ』(山岡士郎役)
- 『らんま1/2』(三千院帝役)
- 『BLUE SEED』(草薙護役)
- 『名探偵コナン』(白鳥任三郎警部役 ※2000年より故・塩沢兼人さんから引き継ぎ)
- 『今日からマ王!』(フォンクライスト卿ギュンター役)
『名探偵コナン』の白鳥警部役は、急逝した盟友・塩沢兼人さんの後を継ぐ形でのキャスティングでした。塩沢さんが作り上げた気品あるキャラクター性を尊重しつつ、井上さんならではの温かみと実直さを吹き込み、現在ではすっかりファンに定着しています。