今作のクオリティを支える背景には、映像制作プロダクションの血の通ったこだわりがある。日本のアニメーション史に刻まれる数々の傑作を手がけてきたコミックス・ウェーブ・フィルムが、本作でも圧巻の背景美術と光のグラデーションを担当。空の色、雲の切れ間、風の流れに至るまで、圧倒的な美意識が画面いっぱいに広がる。
かつて新海誠監督が築き上げた壮大な映像世界の美的遺伝子を感じさせつつも、本作はまったく新しい世代の感覚を取り入れている。緻密なロケーション取材に基づく美しい風景描画と、情動を揺さぶる叙情的な構図。単なる踏襲にとどまらない、スタジオの次なる時代を告げる挑戦がそこにある。