1990年代末、日港合作のビッグプロジェクト『不夜城 Sleepless Town』で彼女が放った強烈な光景は、今も映画ファンの記憶に鮮明に刻まれている。歌舞伎町の闇を背景に、宿命に抗うヒロインの複雑な感情の機微を鮮烈に演じ切ったあの日から、彼女の真価はブレていない。
単なる「美しい女優」の域を遥かに脱し、人間の業や痛みをリアルに表現しきる度胸。この一作で確立された孤高のアイデンティティは、その後のキャリア全体を貫くバックボーンとなった。妥協を許さない過酷な現場で培われた度量こそ、彼女が長年にわたり第一線で愛され続ける最大のアセットと言えるだろう。