物語の舞台となるのは、レトロな雰囲気が漂う地下の喫茶店「フニクリフニクラ」。店内には、ある特定の席に座ると「望んだ通りの過去(または未来)に戻れる」という不思議な都市伝説が存在します。ただし、そこには極めて厄介で厳しい4つの基本ルールが課せられていました。
第一に、過去に戻っても「この喫茶店を訪れたことのない人」には会えません。第二に、どれほど過去で言葉を尽くし行動を起こしても、「現実に起きた結果」を変えることは不可能です。別れた恋人を引き止めることも、亡くなった家族の死を回避することもできません。
第三に、過去へ移動できるのは「店内の特定の1席」のみであり、その席には常に先客である謎の女性の幽霊が腰掛けています。彼女が席を立ってトイレへ向かったわずかな隙にしか座る権利は巡ってきません。そして最も恐ろしい第四のルールが、「注がれたコーヒーが冷めてしまうまでの時間制限」です。コーヒーが冷め切る前に飲み干さなければ、自らも幽霊となってその席に縛り付けられてしまいます。