昭和から平成にかけて、会社の夜といえばカラオケボックスが定番だった。部下に無理やり手拍子をさせ、上司の十八番に合わせる——そんな光景は過去の遺物と化した。ハラスメントに対する意識の高まりや働き方改革、そしてパンデミック以降の飲み会離れが決定打となった。気遣いと忖度に満ちた「接待カラオケ」は消滅の途を辿っている。
その反動として急増したのがソロ利用だ。他人の視線も、選曲への配慮もいらない。昭和歌謡を歌っても、最新の流行曲で声が出なくても誰も咎めない。防音に守られた数平米の小部屋は、現代のタフな社会を生きる男たちにとって、誰にも邪魔されない究極の聖域へと進化した。