一方で、街の周辺では新たな変化が起きている。阪神なんば線を利用すれば神戸三宮やなんばへ一本でアクセスできる利便性の高さから、九条エリアは20代から30代の単身者や若年ファミリー層に人気の居住エリアへと変貌を遂げた。
「最初は少し独特な雰囲気がある街だと思って警戒していました。でも、実際に住んでみるとスーパーも多くて物価も安く、住みやすさに驚いています」――約1年前に近隣の新築マンションに引っ越してきた30代のIT企業社員はそう語る。古くからの住民や店舗関係者と、新しく移り住んできた住民との間に大きなトラブルが起きているわけではない。しかし、街が持つ「秘められた顔」を知らずに暮らす新しい層が増えることで、街の持つ独特な空気感は着実に薄まりつつある。