どれほど精緻な図面を描いたとしても、それを形にする職人の技術がなければ机上の空論に過ぎない。世界屈指の眼鏡産地として知られる福井県鯖江市。そこに佇む熟練職人たちの手こそが、複雑極まりないデザインを実現可能にしている。
切削、研磨、組み立て。各工程において、ミリ単位どころかミクロン単位の感覚が要求される。機械の自動化が進む現代においても、最後のフィニッシングを決定づけるのは職人の指先の感覚だ。この泥臭くも高次元な手仕事の集積が、工業製品の冷たさと人間の温もりが同居する独特のオーラを生み出している。