「愛犬の体にできたしこりは粉瘤?自分で潰しても大丈夫?」と疑問を持つ飼い主は少なくありません。しかし、結論から申し上げますと、自宅でしこりを指や針で潰す行為は絶対に避けてください。
粉瘤は、老廃物を溜め込んでいる「袋(嚢胞壁)」そのものが皮膚の下に残っている限り、中身を押し出しても再発を繰り返します。それどころか、無理に圧迫することで袋が皮膚の内部で破れ、蓄積物質が周囲組織へ漏れ出して激しい異物反応や蜂窩織炎(ほうかしきえん)を引き起こす恐れがあります。また、家庭環境下での処置は雑菌が混入しやすく、重度の化膿性皮膚炎へ悪化する引き金になります。
粉瘤を未処置のまま放置することには、主に次の3つのリスクが伴います。
- 自壊・破裂のリスク:愛犬が掻き壊したり、何かにぶつけたりした拍子にしこりが破裂し、出血や膿、強い悪臭を伴う内容物が噴き出します。
- 二次感染と激しい痛み:細菌感染を伴うと患部が真っ赤に腫れ上がり、触れられるのを嫌がるほどの激痛や発熱を招きます。
- 切除範囲の拡大:放置して嚢胞が巨大化すると、いざ外科手術を行う際の切開創が大きくなり、愛犬の身体的負担が増大します。
万が一、自宅で粉瘤が破裂してしまった場合は、清潔なガーゼや滅菌タオルで優しく患部を押さえて滲出液を吸い取り、エリザベスカラー等を装着して愛犬が舐めないように保護した上で、速やかに動物病院を受診してください。市販の消毒薬や人間用の軟膏を自己判断で塗布するのは禁物です。