楠本高子も母・楠本イネと同じ不運な運命をたどります。
想定外の妊娠により、産婦人科医を諦めることとなるのです。
楠本高子は幼少期は芸事に夢中となり、医学には全く興味を示せず母の楠本イネを嘆かせていました。
14歳で母の師・二宮敬作の縁により宇和島藩の奥女中として奉公を始めます。
その後、二宮敬作の甥にあたる三瀬諸淵と結婚しました。
三瀬諸淵はシーボルト門下の医師でした。
しかし、11年の結婚生活の後、三瀬諸淵に先立たれてしまい、異母兄・石井信義の元で産科医を目指します。
ところが、医学を学んでいる最中、医師・片桐重明に強姦され、子供を身ごもってしまったのです。
この不運な妊娠により、楠本高子は産婦人科医となることを断念するしかありませんでした。
楠本高子は失意の中にいましたが、かねてより求婚されていた医師・山脇泰助と再婚しました。
山脇泰助との間には一男二女を授かりましたが、結婚7年目に山脇泰助が亡くなり死別します。
その後、叔父のハインリヒの世話を受け、母・楠本イネと暮らすことになります。
以後、幼少期の頃熱中していた芸事の教授となり生計を立て暮らしました。
娘・楠本高子も数機の運命をたどり母と同じ産科医の道を目指しますが、母と同じように強姦により妊娠し、医師の道は諦めざるを得なかったのです。