なぜ同社はここまで業績を落とし、「倒産」の文字が検索されるまでになったのか。その理由は大きく分けて3つある。第一に、中核事業であるLIMEXの市場拡大が計画通りに進まなかった点だ。LIMEXは石灰石と少量の樹脂を混ぜてつくるシート素材で、紙やプラスチックの代替として注目された。しかし、既存の紙・プラスチック製品と比較して製造コストが割高で、かつリサイクル回収スキームの構築に時間を要した。自治体の環境施策やSDGsに関心の高い企業向けには一定の導入が進んだものの、一般消費財への浸透は限定的だった。
第二に、急拡大した事業ポートフォリオと人員体制が、固定費の大幅増加を招いたことだ。同社は2010年代後半から、環境配慮型の名刺や封筒、自治体向け防災グッズ、化粧品容器、建材まで多角的に展開。同時に数百人規模の採用を行った。しかし、売上計画が未達となる中で重い人件費と研究開発費が経営を圧迫。直近の決算資料では、営業キャッシュフローが数期連続でマイナスとなっている可能性が指摘されている。
第三に、経営陣と株主・投資家との間で進めていた「大型調達」が、直近の市況悪化により頓挫したことだ。2026年代初頭にTBMは海外の投資ファンドや国内商社などから数百億円規模の資金調達を模索していたとされる。しかし、世界的なスタートアップ投資の冷え込みと、TBM自身の業績悪化が重なり、資金調達条件が想定よりも厳しくなった。結果として、新株発行による希薄化を嫌った既存株主との間で調整が難航し、上場も調達も中途半端なまま現在に至っている。