オーストラリアのドキュメンタリー映画『あまくない砂糖の話 (That Sugar Film)』では、一見健康そうに見える低脂肪・低カロリー加工食品に潜む糖分が、いかに短期間で人間の心身を蝕むかが克明に描かれた。そして、米国の著名な科学ジャーナリストであるゲイリー・タウブス (Gary Taubes)が数々の著作で論破してきたように、人類が直面する肥満や生活習慣病の本質は、過剰な糖分摂取によるホルモンバランスの崩壊にある。
しかし、砂糖を人工的な代替物質に置き換えるだけで問題が解決するわけではない。タウブスらの議論が示唆するのは、私たちが「甘さそのものに対する依存」から脱却しない限り、真の代謝の健全性は取り戻せないという冷徹な事実だ。人工的な超甘味に慣らされた舌は、果物や野菜が持つ自然で繊細な甘みを感じ取る能力を鈍らせてしまう。