なぜこれほどまでに世間はこの話題に飛びついたのか。それは、日本のメディアが作り上げた「浅田真央」という絶対的なヒロイン像に原因がある。白銀のリンクで舞う彼女は、常に純粋無垢で、汚れなき存在でなければならなかった。その対極にあるとされたのが、夜の歓楽街だ。
メディアはこの強烈なコントラストを利用し、読者の野次馬根性を煽った。しかし、アスリートの価値はその家族の職業によって決まるものではない。むしろ、過酷な競争社会で戦う娘を陰で支え続けた父親の姿は、世間が貼ったレッテルとは異なる温かさを持っていた。