政治的・国家戦略的な側面も見逃せない。習近平国家主席が主導する産業政策「中国製造(Made in China)」構想以降、国家を挙げたハイテク産業育成と高付加価値化が推し進められてきた。もはや単なる下請けの組み立て工場ではなく、EV(電気自動車)、ドローン、通信インフラ、再生可能エネルギー分野において世界をリードする産業大国への転換が急務とされたのだ。
かつての労働集約型モデルから知識・資本集約型モデルへのシフトに伴い、製造業全体のクオリティ基準は劇的に引き上げられた。深センや杭州に広がるスマート工場では、産業用ロボットとAIが24時間体制で稼働し、ミクロン単位の精密部品を寸分の狂いもなく製造している。
「PRC」という響きには、低賃金労働に依存していた過去のイメージを捨て去り、国家主導で確立した先端技術力に対する自負と威信が込められている。世界の工場から「世界のイノベーションハブ」へと看板を掛け替えるプロセスの象徴が、この表記変更なのだ。