2018年6月17日に投開票が行われた立川市議会議員選挙(定数28)は、定数を大幅に上回る44名が乱立する大激戦でした。その中で横山緑氏が展開した選挙戦は、従来の政治常識を根底から覆すものでした。
選挙ポスターには「くぼた学」の文字とともに緑のマスクを被った顔写真が掲載され、街頭演説でも覆面姿を崩さずにマイクを握りました。この奇抜なスタイルに対し、既存の政治関係者からは「売名行為」「有権者を愚弄している」といった猛烈な反発が巻き起こりましたが、結果は得票数922票・第26位での滑り込み当選。下馬評を覆す勝利を掴み取りました。
この当選劇を可能にした主な勝因は、以下の3点に集約されます。
第一に、熱狂的なリスナー層の組織化です。普段は選挙に関心を持たない若年層や単身層が、ネット配信の「推し」を議会へ送り込むという一大エンターテインメントとして投票所に足を運びました。立川市内に居住するリスナーが確実に票を投じただけでなく、市外のファンがボランティアとしてビラ配りや街頭活動を支えました。
第二に、低投票率の選挙構造を突いた戦略です。地方議会選挙では投票率が低迷する傾向があり、立川市議選のボーダーラインは1,000票未満と予測されていました。立花孝志氏による徹底したデータ分析に基づき、確実に「1,000票弱の固定票」を掘り起こすドブ板ネット戦術がピタリと的中した形です。
第三に、メディア露出と知名度の圧倒的な差です。覆面候補というセンセーショナルなビジュアルは一般紙や週刊誌、地上波テレビでも大きく取り上げられ、浮動票の一部をも巻き込む結果となりました。