1950年代後半、厚生省(当時)が提唱した「成人病」という言葉は、加齢に伴って発症リスクが高まるがん、脳卒中、心疾患などの重大な病気を一括りに指す言葉として浸透した。これを受けて全国の都道府県に設立されたのが、専門的な精密検査と治療を担う基幹施設だった。
だが、医学の進歩は病態の真因を解き明かした。1996年、厚生省は食生活や運動、喫煙、飲酒などの日常習慣が発症に深く関与していることから「生活習慣病」へと概念を再定義する。それに伴い、「成人病」という包括的な名称は徐々に姿を消し、より専門性の高い「がんセンター」や「循環器病センター」へと再編されていった歴史がある。