大相撲の行司には、最高峰の「立行司(木村庄之助・式守伊之助)」から「序ノ口格行司」まで、明確な8段階の階級が存在する。そしてその格の違いを一目で知らしめるのが、装束の素材と各所に施された菊綴(きくとじ)や房(ふさ)の色だ。
幕下以下の行司は動きやすい木綿の直垂を着用し、足元は裸足と定められている。しかし十両格以上に昇進すると、初めて絢爛豪華な絹の直垂の着用が許され、足袋を履くことが可能となる。最上位である立行司ともなれば、紫や白の極上絹糸で織られた直垂を身に纏い、足元には草履を履く。土俵上のすべての装束は、長年の精進と実績によって勝ち取る極めて重い価値を持っているのだ。