スマートフォンや携帯電話のディスプレイに表示される電話番号の先頭にあるプラス(+)の意味は、通信規格上、非常にシンプルなルールに基づいている。これは国際電気通信連合(ITU-T)の勧告「E.164」で定められた世界共通の表記であり、「国際プレフィックス(国際電話をかける際に国ごとに割り当てられた発信認識番号)」を自動置換するための国際共通コード記号である。
例えば、日本国内から海外へ電話をかける際、固定電話などでは「010」といった識別番号をダイヤルする必要があるが、携帯端末では「+」を入力することで、世界中どの通信キャリアの網内にいても自動的に適切な国際アクセスコードへと読み替えられる仕組みになっている。
では、なぜ日本国内の通話でも時折プラス記号を見かけるのか。その代表例が「+81という日本の電話番号の理由」である。「81」は日本に割り当てられた固有の国番号(カントリーコード)であり、国際標準のルールでは「国番号の直後に続く国内市外局番の先頭のゼロ(0)を省略する」と定められている。そのため、国内の携帯番号である「090-XXXX-XXXX」を国際フォーマットに変換すると「+81 90-XXXX-XXXX」という表記になる。海外ローミング中の知人からの着信や、海外サーバーを経由する一部のクラウド型メッセージングアプリ、二段階認証のSMSなどでこの表示を目にするのはそのためだ。
問題は、海外に知人もビジネス関係者もいない一般的な個人の端末に、突如として身に覚えのないプラス付きの番号から着信が入る現象である。これは海外の正規通信網からかかってきているだけでなく、発信者番号の偽装(スプーフィング技術)や、安価に大量発信が可能な海外のIP電話回線(VoIP)を経由して国内へ流し込まれているケースが後を絶たない。