この異色の存在を生み出したのは、クリエイターの渡部サトシ氏だ。彼の斬新なアイデアと、大手広告代理店の株式会社電通、そして高品質な映像制作を手掛けるギークピクチュアズの強力なタグによってプロジェクトはスタートした。
当時、テレビCMといえば商品の魅力をストレートにアピールする手法が主流だった。しかし、彼らが仕掛けたのはまったく逆のアプローチだ。短尺のスポット枠を使い、あえて「商品の宣伝を一切しない」という異例の戦略を採用した。番組の合間に突如挿入されるショートアニメーションは、視聴者の不意を突く演出として絶大な効果を発揮した。
特に話題を呼んだのが、その計算されたシュールコメディの構成である。可愛らしいビジュアルから放たれる、「ハエは口から消化液を出して食べ物を溶かして吸う」といった、少し引いてしまうようなリアルな豆知識。このギャップが生み出す妙な後味とクスッと笑えるユーモアが、視聴者の記憶に深く刻み込まれた。豆しばCMシリーズは、従来のテレビ広告のあり方に一石を投じる革新的なコンテンツとなったのである。