別府ひき逃げ事件で重要指名手配され、道路交通法違反としては異例の殺人容疑へ切り替えられた八田與一被疑者。そして半世紀近く潜伏し、最期に突如名乗り出た桐島聡の事件。この2つの事案は、日本の捜査機関に決定的な構造転換を突きつけた。
長期逃走を可能にする支援ネットワークの存在や、身分証を持たずに日雇い労働と現金決済だけで生き延びる古典的手口の再評価。調査報道が浮き彫りにしたのは、ハイテク監視社会の盲点をあえて突く逃亡犯の狡猾さだ。八田被疑者をはじめとする重要対象者に対しては、従来の聞き込みにとどまらず、SNS上の情報提供呼びかけやネットコミュニティに潜むデジタルフットプリントの精査が昼夜を問わず展開されている。