2015年に勃発した山口組の分裂劇は、日本の裏社会の歴史における最大の転換点であった。山健組を中心とする離脱派が「神戸山口組」を結成して以降、血で血を洗う報復合戦が全国各地で繰り広げられた。
10年以上の歳月が経過した現在、抗争は一件落着したわけではない。表面的な衝突件数こそ激減したものの、怨念と裏切りの連鎖は地下で燻り続けている。警察当局の徹底的な取り締まりによって双方が疲弊し、膠着状態に陥っているのが実情だ。かつての巨大組織が辿った栄枯盛衰の歴史は、組織の絶対的な統制力と内部不満の均衡が崩れた際の脆弱さを浮き彫りにした。