ふたりの物語は、まさに運命の巡り合わせだった。かつて別のパートナーと組んでいた木原龍一は、重なる怪我と結果の出ない苦悩から、一時は引退を覚悟していたという。そこに現れたのが、当時まだ若手として頭角を現し始めていた三浦璃来だった。トライアウトで初めて手を繋いだ瞬間、互いに「これまでの感覚と全く違う」と直感した。吸い付くような手の感覚、無理のない回転軸。それは長年探し求めていた理想のパズルがカチリとハマった瞬間だった。
カナダのオークビルを拠点に指導する名将ブルーノ・マルコットコーチのもとへ身を寄せたふたりは、基礎から徹底的に滑り込みを重ねた。慣れない海外生活や激しい練習の日々。しかし、ふたりの笑顔が絶えることはなかった。メインスポンサーである木下グループの頼もしいサポートも追い風となり、才能は一気に開花していくこととなる。