では、家庭で期限切れあるいは期限直前の食品と対峙した際、私たちはどのように安全を見極めるべきなのか。食品衛生の専門家が強調するのは、数字だけに依存せず人間の「五感」を正しく機能させることだ。
第一のチェックポイントは「包装・容器の状態」である。袋がパンパンに膨らんでいる場合、内部で嫌気性細菌が繁殖してガスが発生している明確なサインだ。第二は「視覚」による確認。肉の表面が緑がかった変色を起こしていないか、粘り気のある糸を引き始めていないかを慎重に観察する。第三は「嗅覚」だ。酸っぱいツンとする異臭やアンモニア臭、油の酸化した臭いがした場合は、迷わず廃棄すべきである。
ただし、リスクの度合いは食材の性質によって劇的に異なる。ひき肉や鶏肉、刺身などの生鮮食品は表面積が広く雑菌が増殖しやすいため、表示期限を過ぎたら加熱調理であってもリスクが高すぎる。一方で、加熱済みの真空パック製品や高塩分・高糖分の加工品は、保存状態が良ければ一定の猶予が存在することもある。いずれにせよ、「異変を感じたら口にしない」が鉄則だ。