泥棒市場の成功を経て、安田氏は卸売業の「株式会社リーダー」を設立。その後、小売業への再挑戦として1989年3月、東京都府中市に「ドン・キホーテ」1号店をオープンさせました。スペインの文豪セルバンテスの小説『ドン・キホーテ』のように、「既成概念にとらわれず、果敢に既得権益へ立ち向かう」という決意を込めた命名でした。
当時の常識であった「見やすく、取りやすく、買いやすい」スーパーマーケットの売り場作りに対し、ドン・キホーテは「見にくく、取りにくく、買いにくい」というエンターテインメント性を前面に打ち出す「アミューズメント型店舗」を展開。若者や深夜族の絶大な支持を集め、破竹の勢いで全国展開を進めました。
2000年には東証一部上場を果たし、長崎屋やユニー(アピタ・ピアゴ)といった老舗総合スーパーを傘下に収める大型M&Aを次々と成功させます。社名を株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)へと変更した現在、連結売上高は2兆円を大きく突破し、30期以上にわたる連続増収増益という日本小売業界でも稀に見る大記録を更新し続けています。