なぜ、日本の大学はこれほどまでに特任教授を求めるのか。背景にあるのは、深刻な財政難と「即戦力」への飢餓感だ。国からの運営費交付金が削減され続ける中、大学が生き残るには外部資金の獲得が欠かせない。企業からの共同研究費や政府の大型補助金を勝ち取るため、その分野の第一人者を「特任」として急遽招へいするケースが後を絶たない。
さらに、目まぐるしく変わるテクノロジーのトレンドに対応するためでもある。AIや量子コンピューティング、バイオテックといった分野では、5年前の知識すら陳腐化する。従来の硬直化した人事制度では、こうした先端分野の専門家を迅速に雇用できない。そこで、任期付きで機動的に動かせる特任ポストが重宝されているのだ。