渡米当初、鈴木を苦しめたのはメジャー特有の動くファストボールと、過酷な移動日程だった。しかし今の鈴木に、当時の戸惑いは一切見られない。シカゴ・カブスの首脳陣が絶賛するのは、彼の圧倒的な「アプローチの質」だ。ボールゾーンの見極め、そしてストライクゾーンに入った球を一発で仕留めるスイングスピード。その精度はメジャー屈指のレベルに達している。
特に現地のアナリストが注目しているのが、変化球に対する対応力だ。手元で急激に沈む変化球に対しても、体軸を崩さずに力強く引っ張る、あるいは逆方向へ打ち返す器用さを兼ね備えている。「鈴木のバットコントロールは芸術的だ」と敵軍の監督すら漏らすほど、彼の存在感は対戦相手にとって脅威そのものとなっている。