しばしば手話と混同されるが、指文字と日本手話は根本的な役割が異なる。日本手話は独自の文法と語彙体系を備えた独立した言語だ。手や指の動きだけでなく、表情や視線、上体の動きを組み合わせることで複雑な意図や感情を伝える。
一方の指文字は、日本語の五十音(あ・い・う・え・お)という音声をそのまま指の形に対応させた文字体系である。人名や地名といった固有名詞、あるいは誕生したばかりの新しい言葉など、手話単語が存在しない場面で補完的に用いられる。日本手話の豊かな対話の中に指文字を自然に織り交ぜることで、より正確で細やかな情報伝達が完成するのだ。