彼女の歩みを語る上で欠かせないのが、和久井映見の経歴とプロフィール、そして社会現象にまでなった若い頃の目覚ましい実績です。1970年12月8日生まれ、神奈川県横浜市出身。高校時代に東京ディズニーランドでスカウトされたことを契機に芸能界入りを果たし、JR東日本のCMなどでその透明感あふれる美貌が瞬く間に注目を集めました。
映画界へ進出すると、1991年の山田洋次監督作品『息子』で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞および新人俳優賞をダブル受賞。さらに1993年の『虹の橋』では最優秀主演女優賞に輝くなど、20代前半にして日本を代表する演技派としての地位を確立しました。当時の映画関係者は「セリフの行間にある切なさや戸惑いを、瞳の揺らぎだけで表現できる稀有な資質を持っていた」と振り返ります。
テレビドラマの黄金期であった1990年代には、フジテレビの看板枠である「月9」を中心に数々の金字塔を打ち立てました。唐沢寿明と共演し、身分違いの切ない恋を描いた和久井映見の代表作ドラマ『妹よ』(1994年)は最高視聴率30.7%を記録。さらに堤真一との共演で知的障害を持つヒロインの純粋な愛と自立を演じたドラマ『ピュア』(1996年)でも最高視聴率25.9%を叩き出しました。『バージンロード』(1997年)を含め、彼女が主演した作品はいずれも高視聴率を連発し、「健気で芯の強い女性」を演じさせたら右に出る者はいない国民的ヒロインとなったのです。