森の探求心は、企業の不正にとどまらず国家権力の深部へも鋭く向けられてきた。とりわけ、第99代内閣総理大臣を務めた菅義偉の半生と権力構築のプロセスに迫った一連の取材は、政治経済ノンフィクションの分野で金字塔として高い評価を得ている。
老舗出版社である文藝春秋などを通じて発表された一連の政治ルポルタージュは、永田町の表舞台では決して語られない官僚人事の掌握、官邸主導政治の影、そして地方議員から宰相へ登り詰めた執念の裏にある人間模様を容赦なく描き出した。権力者との適度な距離感を保ちつつ、情に流されずに事実のみを積み上げる姿勢が、政界関係者をも唸らせる緻密な報道を結実させたのだ。