ワンワンの着ぐるみの内側で、声と動きの双方を一手に引き受けているのが声優・俳優のチョー氏だ。着ぐるみ番組の常識を覆す「現場での生アフレコ&アドリブ演出」は、チョー氏の規格外の身体能力と芝居への偏愛から生まれた。
当時のスタジオ現場を知るスタッフからは、こんな独占秘話が漏れてくる。「撮影中、ワンワンのアドリブに現場のスタッフが吹き出してしまうことは日常茶飯事だった。しかし、上原風香演じることちゃんは、それに怯むどころか見事な間合いで返し、チョーさんを驚かせていた」。重い着ぐるみを身にまとい、汗だくになりながらスタジオを縦横無尽に駆け回るチョー氏。その熱量に、幼いことちゃんが真っ正面から応えることで、あの奇跡のような空気感が醸し出されていたのだ。まさに二人三脚で作り上げた密室のエンターテインメントだった。