華麗なアクロバットを支え続ける川崎重工業 T-4(中等練習機)は、その丸みを帯びた愛嬌のあるシルエットから「ドルフィン」の愛称で親しまれてきた。高い運動性と信頼性を誇る双発の純国産ジェット機であり、長年にわたって自衛隊パイロットの育成と広報活動の両面を支えてきた日本の航空宇宙産業におけるひとつの金字塔だ。
しかし、初飛行から年月が経過するなかで、機体の延命改修や後継機選定に関する議論が防衛省内でも現実味を帯び始めている。激しい機動飛行に伴う機体フレームへの負荷は練習機としての運用以上に大きく、松島基地の整備員たちによる昼夜を分かたぬ点検と手厚いメンテナンスがあってこそ、安全なフライトが維持されている。空を見上げる私たちは、機体の美しさの背後にある技術者たちの献身にも思いを馳せずにはいられない。