言葉の可能性を極限まで突き詰める芸術家と、法と制度の枠組みの中で論理的に国家を動かす実務家。この二人の組み合わせは、一見すると水と油のようにも思える。しかし、関係者の間では「だからこそバランスが良い」と囁かれている。
感情の揺らぎや人間のドロドロした部分を観察し、それをエンターテインメントに昇華させる綿矢にとって、極めて論理的で客観的な視点を持つ夫の存在は、一種の「現実への錨(アンカー)」として機能しているのではないか。創作という不安定な海に漕ぎ出す彼女にとって、最も信頼できる港がそこにあるのだ。